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July 09, 2007

鉄道人身事故報道

昨日、JR東海の本社広報室勤務の男性が小田原駅で新幹線に飛び込み自殺をした。毎日新聞の記事によると、3340人がその影響を受けたそうだ。

今日は、甲子園駅で、女性会社員が二児を連れて無理心中を図り、約2万4000人に影響したそうだ。


何かおかしくないか?

何で、影響を受けた人数を報道しないといけないんだ?そこに何の意味があるんだ?「迷惑だから、鉄道で自殺するのはやめろ」ってか?

確かに、新幹線に一晩缶詰にされた人たちにとっては、とんだ災難だったろう。私だってうんざりする。次の日の予定もあるし、仕事もあるし、大事な商談やプレゼンテーションを控えていたかもしれない。久々にほんの一日だけ家族と再会する予定が、一時間になってしまった人、あるいは会いたい人に会えずに引き返さざるを得なかった人もいるかもしれない。

だけど、みんなは、生きてる。生きてるから、たかが一日くらい、たかが40分くらい、どうにでもなるじゃないか。

事故で新幹線が止まったことは、大々的に報道されているから、仕事関係者も事情を理解して、リスケジュールでもなんでもしてくれるだろう。生きていれば、また休暇を取って家族に会いにいけるだろう。

人が死んでるんだよ?

たとえそれが自ら絶った命だととしても、人が死んでるんだよ??

死んじゃったんだよ。残された遺族は、今、どんな気持だろう。どんなに悲しみに、悲嘆にくれているだろう。胸の痛みに、どれだけの涙をこぼしているだろう。痛みに押しつぶされて、涙さえ流れないかもしれない。

どうしてその痛みに、「お前の家族がこれだけの人間に迷惑かけたんだぞ」と、塩を塗りこむようなマネをするのか。

いつから、命はそんなに軽くなったんだ???

「一人で死ね」というヤツは、自分がそこまで追い込まれたときに、独りでひっそりと死ぬ勇気と覚悟があるのか???

JR東海の社員は、今月1日付けで技術畑から広報部に転勤を伴う異動したばかりだそうだ。静岡から転勤して東京へ。休み明けに、静岡と東京の真ん中の小田原駅で自分が広報している新幹線に飛び込んだ。

今月1日といえば、新型新幹線開通日だ。広報部はさぞ忙しかったことだろう。なれない職場で、なれない仕事で、なれない環境で、なれない人間関係で、自分がその素晴らしさを伝えなければならない対象に飛び込まないといけないほど憎まなくてはならなかった彼を悼む声は、表に出せないのか?

「行ってらっしゃい」といつも通りに夫を送り出した後、本当なら自分の命よりも大切な娘二人を抱いて、電車に飛び込んでしまうほど疲弊しきった彼女に、「もう終わったから、大丈夫だよ。安らかに眠ってください。そしてもしできることならば、次もまた子ども達と一緒に生まれてきてね」と労いの言葉をかけてはいけないのか??

この二件の鉄道人身事故報道が暴いたのは「死に対面しても、己の生を実感できないほど、今の日本とメディアは麻痺しきっている」という事実だと、私は思っている。

新幹線で一晩缶詰になったみなさん、お疲れ様でした。さぞストレスフルだったことかと思います。

ただ、死者に対して怒るのではなく、今、自分が生きているということに、生きて愛する人の元に帰れたことを、少しだけでもいいから、喜びませんか?

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